予想番付 R4年

令和4年11月場所予想番付

 

照富士

横綱

 

貴景勝

大関

正代

若隆景

関脇

豊昇龍

 

関脇

御嶽海

霧馬山

小結

翔猿

玉鷲

小結

大栄翔

琴ノ若

明生

髙安

宇良

翠富士

逸ノ城

若元春

佐田海

北勝富

錦富士

竜電

錦木

妙義龍

遠藤

隆の勝

栃ノ心

宝富士

碧山

千翔馬

10

阿武咲

阿炎

11

琴恵光

琴勝峰

12

東龍

千大龍

13

王鵬

隠岐海

14

一山本

15 

熱海富

東白龍

16

照強

<トピック>

三役、平幕上位が相変わらず過密

関脇、小結の数は?

幕内入れ替えラスト5枠目は?

 

<ポイント>

 

1 三役昇進

3関脇4小結か

 

 珍しい3関脇3小結だった秋場所。そのうち小結の阿炎と逸ノ城が陥落。大関から落ちてくる御嶽海と3枚目で優勝した玉鷲、東筆頭で10勝の翔猿が加わることは濃厚。なので、関脇小結の人数は1増の7人になりそうだ。

 関脇は東西正位が勝越し。大栄翔は小結に落ちそうだが、御嶽海が落ちてくる。

 小結霧馬山は9勝だが、昇進できるかどうか。先場所の豊昇龍は9勝で関脇昇進したものの、これはかなり例外的なケース。再小結の9勝1回くらいでは、関脇が埋まっていれば小結据置が普通だ。4関脇にしても問題は生じないが、経験上小結維持と予想する。

 4枚目11勝の高安も上げたいところだが、4関脇4小結に増やすのも考えにくいし、4枚目の11勝は直近2例平幕止まりが続いているので見送ることにした。すると平幕上位も勝越し力士が多く、隙間に入れるのが大変だ。

 

 

 

 

2 幕内入れ替え

陥落確実4人 昇進候補枯渇

 

 4人の陥落は確実。場合によっては平戸海が残留もなくはないが、十両からの昇進候補もいないではない。東西3枚目の8勝までが上がれる。

 5人目は西4で8勝の武将山。以前にもこのくらいの成績で筆頭止まりにされていたが、今回の比較対象は下1枚で6勝の照強。成績的には陥落必至だが、5人目武将山の成績が弱いので、近年の傾向だと残留もありうる。


令和4年9月場所番付分析

 今場所は断念。いくつか想定されるパターンはブログに示したが、公式には基準が明確に示されず、関係者の話を信用するしかない。やる気を失った。
 それでも、結果からはいくつかの論点が生じたので、今後前例として参考にできるか、レビューしておく。

 

1−1 関脇の増枠

 9勝の豊昇龍が増枠を勝ち取る

  この20年ほど、関脇の定員は非常に厳格化され、小結10勝でも関脇が2人いれば当然のように見送られてきた。小結で勝越が続いても特に加算はなし。「11勝すれば無条件で上がる」というのが定説だ。

  ところが、連続8勝で据え置かれてきた豊昇龍が、先場所9勝ながら意外にも3人目の関脇に。4小結もあり得るので無理に上げる必要もないはずだが、どういう風の吹き回しだろうか。9勝の小結が関脇の増枠をもたらしたのは、平成11年以来。すでに張出は廃止されていたが、そこまで役力士の定員は厳格ではなかった。厳格化されてからは初のケースだ。

  これは、関脇で6勝7敗2休で据置の大栄翔とバランスを取るための例外的なものか。どうせ小結を2人増やすなら、上げてやってもいいだろうということか。2の論点とも絡んで、非常にややこしい。

 

1−2 小結の増枠

 東筆頭勝越しは無条件昇進か

  同じく不運な三役昇進見送りが続いていた霧馬山。今場所も三役4人とも落ちそうになく、2枚目で優勝した逸ノ城に次ぐ2番目の候補と見られ、昇進は微妙だった。結果はめでたく昇進。

  西筆頭で勝越して東に回るだけ、というのは良くあるが、実は東筆頭で勝越してそのまま据え置かれた例は、昭和44年の龍虎まで遡る。三役の定数がユルユルだった時代だが、それ以前も上がったり上がらなかったりしている。厳格化された近年、東筆頭は8勝であってもかなり強く、他候補を抑えて優先的に昇進させている。よって3番手以降の小結になった例は少なく、平成7年の琴錦以来。増枠させる存在だったのかが逆に見えにくかったが、今回の例でやはり無条件昇進相当と見られていることが濃厚となった。

 

 

2 優勝力士が小結どまり

 筆頭大栄翔に続き、2枚目逸ノ城も小結どまり

  小結で9勝の豊昇龍が上がって3関脇となったが、成績で考えると2枚目で12勝3敗、優勝した逸ノ城の方が上と見る向きもあるだろう。上位総当たりの地位で平幕優勝したのだから、空きがあれば当然関脇に上がる星だし、空きがなくても上げるべき成績。4関脇にしてもいいわけだし。と、昭和から見ているファンなら思うだろう。

  だが、これはある程度予想できたこと。前年1月を制した前頭筆頭の大栄翔が、13勝の好成績ながら3人目の小結に留まったからだ。てっきり3人目の関脇と思いきや、一桁勝利の両小結に次ぐ番付となっていた。今回も8勝の阿炎が東に回り、それに次ぐ地位となった。

  今後も、基本的には上位で平幕優勝しても関脇に空きがなければ小結が原則。既存の役力士よりも低い位置づけになると考えておいて良いだろう。全勝とかならまた別かもしれないが。

 

 

3 コロナ関連途中休場者

  初のケースだったが、以下のような原則がわかった。

 ①勝越しまたは負越し(不戦敗を除く)が確定していれば、昇降あり

 ②勝越しも負越しも確定していなければ、全休の場合と同様に番付据置き(周辺状況により1枚降下の可能性あり)。

 

  どうやっても不満は出るから、この原則に従うしかない。不公平や不明な点が出たことも指摘はしておこう。

 

 ① 3勝10敗の遠藤は1枚降下のみ。一方2勝9敗2休の大奄美は、幕内から落ちた上に7枚降下。コロナ以前に9敗の遠藤と、8敗2休の大奄美。大差がつく結果となった。

 ② 最も注目された御嶽海。角番で黒星先行の危機の大関は、コロナに救われる形となった。他の地位の力士だけなら、休んだ時点の勝敗で多少上下させる方が納得感があったかもしれないが、角番大関を認定負け越しにする権限は審判部には重すぎた。御嶽海の存在が、ノーカウントとする流れを作ったかもしれない。

  2枚目で7勝4敗の琴ノ若、優勝争いに加わりながら勝ち越し寸前で休まされて据置き。それは仕方ないとしても、三役増枠により、順列の上ではダウン。しかも筆頭が空いたために、11枚目で10勝の翠富士が急浮上して追い抜かされた。1枚降下もあるのだから、1枚くらい上昇させても良いのではないだろうか。

  

 

令和4年7月場所予想番付

 

照富士

横綱

 

貴景勝

大関

御嶽海

 

大関

正代

若隆景

関脇

大栄翔

豊昇龍

小結

隆の勝

霧馬山

小結

阿炎

琴ノ若

逸ノ城

玉鷲

宇良

若元春

髙安

佐田海

遠藤

碧山

隠岐海

翔猿

栃ノ心

北勝富

錦木

千大龍

志摩海

琴恵光

明生

翠富士

10

琴勝峰

一山本

11

照強

宝富士

12

千翔馬

妙義龍

13

阿武咲

剣翔

14

千代丸

英乃海

   15 

大奄美

王鵬

16

豊山

 

 

三役

昇進    

△ 霧馬山、隆の勝

× 琴ノ若、玉鷲

 

陥落 0

× 阿炎

 

 

幕内

昇進 4~8

◎ 剣翔

○千代丸

△英乃海、大奄美、錦富士

×竜電、東白龍、大翔鵬

 

陥落 4〜6

 石浦、荒篤山、輝、東龍

△ 豊山、王鵬

<トピック>

三役空きなし、候補多し

平幕上位過密必至

 

 <ポイント>

1 三役昇進

 空きなし、昇進相当は4人!

 

 候補者は、

 東2 10-5 霧馬山

 西2  9-6  琴ノ若

 西3  9-6  玉鷲

 西4 11-4 隆の勝

 

 上位陣に締まりがなかった分、平幕上位は好成績力士が多く、4人が昇進できる星。ところが三役力士も勝越し3人、関脇の阿炎が1点負け越しただけ。関脇7勝での平幕転落は四半世紀以上途絶えており、空きは0だ。

 特に2枚目で10勝、4枚目で11勝は、ほとんどが三役に昇進している、しかし、近年三役定員の厳守が続いており、いずれも直近に平幕留まりとなった例がある。

 よって平幕に留め置かれる公算が強いが、加えて西前頭筆頭の逸ノ城がコロナによる出場停止で居残り濃厚(過去、大量休場時に十両で1枚降下した例はある)であり、琴ノ若は西2にステイ、玉鷲は東に回るだけにせざるを得なくなる。春場所も平幕上位が詰まったが、その時よりも酷いことになる。

 ここは可能性が低いことを承知で、隆の勝、霧馬山をダブル昇進させ、4小結と予想する。21世紀に入ってから小結が3人以上になったのは、①平成18年九州、②令和元年九州、③令和3年春の3例しかない。

① 2関脇2小結全員勝越し。西筆頭10勝露鵬と西3枚目11勝の安美錦が昇進

 2関脇2小結全員勝越し。西筆頭9勝北勝富士と西2枚目10勝朝乃山が昇進

③ 2関脇2小結全員勝越し。西筆頭13勝大栄翔が昇進

 ①の2人の成績は、平幕留まりになったことはないが、②の2人の成績は、いずれも直近に止め置かれた例があるものの、この場所では昇進した。1人より2人候補がいた方が、特例を認めやすいのだろうか。唯一3小結となった③は、筆頭で優勝なので単独で枠をこじ開けたが、本来関脇に上がるのが相当だ。しかも9勝の両小結より下に置かれた。

 今回の霧馬山、隆の勝は①②とよく似た成績であり、抱き合わせで4小結にする可能性があると判断した。琴ノ若も惜しいが、厳格化以前から見送られた例も多い成績だ。

     

→小結増枠なし

 4枚目11勝で平幕止まりは、直近の北勝富士に続いて2例目。2枚目10勝の平幕止まりは戦後3例目。揃って不運。

 当然、平幕上位は超過密。コロナ休場の逸ノ城が1枚降下(幕内では初)して筆頭は三役昇進ならずの2人が入ったが、2枚目の琴ノ若、3枚目の玉鷲は据え置き。

 案の定、情に棹させばハズレ。このあたりのバランスを取るという考え方はしない、と改めて感じさせられた。

■小結増枠実績 ※平成15年以降

(○据置例なし、△両例あり、✕増枠昇進例なし)

 △西1・9勝

 ○西1・10勝

 △西2・10勝

 △西3・11勝

 ✕西4・11勝

 

 

 

2 幕内入れ替え

 

陥落確実4人 昇進候補6人〜

 

 4人の陥落は確実。5番手、6番手は共に下3枚で6勝9敗の豊山、王鵬。落ちない星だが、小結を増やした関係で幕尻が繰り上がった場合には下2枚で微妙な星となるというマジックが働くとややこしくなる。

 十両からの昇進候補は多く、2枚目10勝、東西筆頭の8勝までは昇進濃厚。東西6枚目は優勝決定戦を戦って11勝。さらに西35枚目が9勝を挙げていて、空きがあれば可能性のある星だ。

 最近は6〜9勝の陥落候補に甘めな傾向があり、無理に落とすことは考えにくい。そうなると4番手と予想される東6・大奄美と、5番手の西6・錦富士が、優勝決定戦の結果に反して明暗分かれることになる。番付編成ルール上全く問題はないが、なかなか皮肉。いっそ上記のマジックを利用して王鵬、豊山ともに落とし、錦富士、竜電まで上げることもありえなくはないが、予想としては保守的に近年の傾向に沿ってみる。

      

→西1を西6が逆転

 陥落候補は予想通りだが、英乃海ではなく錦富士が昇進。錦富士は優勝が効いたか。英乃海は東にも回れず西筆頭で据え置かれた。しかし、せめて西3枚目で9勝の竜電よりは上で良いと思うが。懲罰的な意味では同じだし。

 

 

 

3 下位大勝

 

12枚目11

 準優勝で新入幕以来の三賞を得た佐田の海。12枚目で11勝ならどこまで上がるか。先代も新入幕の時に12枚目で11勝し、10枚上昇している。これは幸運な部類で、過去前頭3〜5枚目に収まっていることが多い。今回はちょうど隙間のできた東4枚目とした。

 

5枚目となったが、小結が増員しなかったので実質同じような上がり幅。


令和4年5月場所予想番付

照富士

横綱

 

御嶽海

大関

正代

 

大関

貴景勝

若隆景

関脇

阿炎

豊昇龍

小結

大栄翔

逸ノ城

霧馬山

高安

琴ノ若

遠藤

玉鷲

北勝富

隆の勝

翔猿

若元春

阿武咲

宝富士

宇良

琴恵光

志摩海

照強

琴勝峰

栃ノ心

錦木

10

碧山

隠岐海

11

妙義龍

千翔馬

12

佐田海

明生

13

千大龍

石浦

14

王鵬

東龍

15

豊山

一山本

16

翠富士

荒篤山

17

千代丸

<Topics>

三役1枠を巡る争い

幕内入れ替え混戦

 

<Key Point>

1 三役昇進

 小結1の空き

 隆の勝が陥落するため、小結1枠が空く。

 

候補者は5人も。綺麗に番付と白星が反転。

 東1 8-7 大栄翔

 東2 9-6  逸ノ城

 東4  10-5 霧馬山

 西6  11-4 琴ノ若

 東7  12−3   高安

 

 平幕中位から下位なら上がり幅からして、翌場所は成績の順にくるっと逆転するかもしれない。ただ、平幕上位や十両上位からの昇進がかかる場合は、番付優先となる傾向が強い。

 最上位の東筆頭で勝ち越せば、余程でなければ逆転は食わない。1枚差で2勝差であれば逆転もあり得るが、今回の場合は番付優先で大栄翔の昇進と見る。

 

→予想通り、大栄翔の昇進。

 しかし、平幕留まりとなった4人の序列は意外だった。髙安が東の筆頭、西には逸ノ城で、霧馬山は10勝ながら2枚しか上がらず。

 また、4枚目遠藤は8勝したが東に回っただけ。6枚目9勝の北勝富士が逆転した。1.5枚差の1勝差なのでおかしくはないが、上が詰まった状況なのでこれも意外だった。

 

2 幕内入れ替え

 陥落2~4人

●1、2人目

 まず、落ちる星が天空海。幕尻輝も1点ながら負け越し、据え置きの可能性はないではないが、次に落ちる候補か。

 十両は、筆頭王鵬と2枚目東龍が10勝。当然昇進する星。

 

●3人目

 その次は、東西14枚目の千代丸、千代の国が5勝なので落ちてもおかしくない。

 上がる力士といえば、西2枚目8-7英乃海よりも、東6枚目12-3翠富士か。ここは上げて良い星なので、千代の国が落ちる。半枚差の千代丸は、英乃海との比較で残ると予想する。

 

入替戦は考慮なし?

 英乃海はラスト2日東西幕尻との入替戦が組まれ、輝は負け越させたが、一山本は勝ち越させてしまい、自身も9勝なら翠富士との優先順位も多少有利になったかもしれない。入替戦1勝1敗なら特に考慮なしか。そもそも入替戦の勝敗が結果に直結するのかどうか怪しい。

 

陥落候補2人目と見た輝が西に回っただけで残留。昇進候補は予想通りの3人が上がり、陥落候補4番手で残留と予想した千代丸が陥落。

 幕尻でも下に半枚ある時の7勝は、意外と強い。入替戦に負けても関係なし。

 

3 上位大敗

 3枚目1勝、5枚目2勝

 明生がまさかの1勝。石浦が再出場したが2勝止まり。このケース、過去同じ番付、勝星を調べると、大体10枚の降下となっている。10枚ほど下で、収まりの良いところに置いた。さて、当たるかズレるか、大外れか。

 

明生は東西ズレたが、13枚目。石浦は予想より2枚下の16枚目。両者は2枚違いで石浦が1勝多いが、石浦の方が陥落幅が大きかった。上位戦の有無が考慮されたか。


令和4年3月場所予想番付

 

照富士

横綱

 

正代

大関

貴景勝

 

大関

御嶽海

若隆景

関脇

阿炎

豊昇龍

小結

隆の勝

阿武咲

大栄翔

宇良

逸ノ城

玉鷲

霧馬山

宝富士

明生

遠藤

石浦

北勝富

琴ノ若

高安

佐田海

若元春

隠岐海

翔猿

千翔馬

琴勝峰

10

碧山

琴恵光

11

照強

志摩海

12

千大龍

千代丸

13

妙義龍

千代国

14

錦木

豊山

15

天空海

栃ノ心

16

荒篤山

17

東龍

三役

昇進 3

◎ 若隆景、阿炎

○豊昇龍

△阿武咲、宇良

 

陥落 3

明生、大栄翔

※御嶽海の昇進欠1

 

 

幕内

昇進 4〜5

◎琴勝峰、輝、錦木、荒篤山

△東龍

 

陥落 4〜5

◎王鵬、魁聖、英乃海

△剣翔、一山本

<Topics>

新大関誕生

役力士1増、幕尻は西17枚目に

激戦の三役争い、超過密の平幕上位

 

<Key Point>

1 大関東西

 新大関は東?西?

 一人横綱の時に大関が奇数になると、当然一人横綱は東に座るが、大関の東西配置はどうなるのか。

①1大関 …西

②3/5大関〜…東、西東?西?

 

①大関は必ず東西に1人置くので、一人横綱は「東横綱大関」となり、一人大関は西に配置される。

②既に東西に大関がいる場合、3人目、5人目は東か、西か。

 これはかなり前例を繰らないと判明しないが、よくよく見ると規則性があって、三役全体でバランスを取っている。関脇、小結が共に偶数の場合は、大関は西が1人多くなり、関脇、小結いずれかが奇数(3人)の時は、大関は東が多くなり、関脇か小結は西を多くし、トータルで東が1人多くなる。平成以降は基本的にこの方針で組まれている。しかし、たまに東に2人多くなったり、3人目の大関が西、3人目の関脇が東だったりする。「生き物」なのでその時は諦めよう。

 今回は、御嶽海を西大関として東西バランスよく配置すると予想。

→順当に新大関御嶽海は西の2番目。

 

2 三役昇進

  関脇2、小結1 上位8勝と中位二桁

 両小結は負け越し、東関脇が昇進、西関脇は7勝で小結に降格濃厚。都合上記の3人分が三役の空き。ところが、三役争いは候補乱立。厳しい選択をせざるを得ない。

 東筆頭若隆景は確実。東2〜東3の3人が8勝7敗。上がって良い星だが、5〜6枚目の大勝ち組の方が数字上は強い。

 西6枚目12勝の阿炎が2番手、東6枚目11勝の豊昇龍が3番手となると予想した。

 ただし、豊昇龍は「○:有力」に留める。というのも、近似例があるからだ。

<平成25年11月>

 西2枚目8勝豊ノ島 → 東筆頭

 東5枚目10勝碧山  → 東3枚目

 西6枚目11勝勢   → 西2枚目

 成績から見ると、勢が碧山より上位に来るのは納得だが、両者よりも2枚目の豊ノ島の方が上になっている。しかも今回の2枚目は宇良は東で、より三役に近い地位。豊昇龍が上がれないなら、おそらく宇良が浮上する。ただ、そうなると逸ノ城、玉鷲との均衡が取れないため(3で詳述)、今回は豊昇龍を上げようとなるのではと予想する。

 けれどもこれは全員平幕止まりのケースであり、誰かが三役に上がる場合は下位の大勝ちの方が上がっていたりするので、参考程度。

→予想通り、豊昇龍が新三役を射止めた。

 

 

3 上位過密

昇進漏れ組には、さらなる不運。

 三役昇進は上記のとおりとして、さらに悩ましいのが平幕上位。惜しくも昇進を逃した力士と、転落した三役力士が1〜3枚目に集中する。

 まず、東5枚目10勝の阿武咲と東2枚目宇良は非常に迷うところだ。

 直近令和3年7月に、東2枚目8勝の隆の勝が西筆頭。西5枚目10勝の豊昇龍が東筆頭となっているので、阿武咲有利と見る。

 さらに筆頭候補は、西小結7勝の大栄翔がいるが、役力士はかなり強い。がいる。結構強い。西筆頭大栄翔にすると、宇良は東2枚目据え置きなので気の毒だが、仮に宇良を上にしても、これに続く逸ノ城、玉鷲も据え置き。半枚でも上げてやろうとすると、小結7勝で大栄翔を3枚目に落とすことになるが、過去に例がない。

 バランスも考えると、筆頭は東阿武咲、西大栄翔。2枚目以下の3人は仲良く据え置きとせざるを得ない。運が良ければ三役昇進もあった3人だが、番付上据え置き、役力士が増えているので実質順列は降下。骨折り損となってしまった。

→難航が予想された平幕最上位クラス。予想に反して8勝の三人は半枚ずつ上昇した。割を食ったのが5枚目10勝の阿武咲で、東3枚目止まり。1枚下の豊昇龍があと1勝少なければ三役に昇進していたはずが、大きな開きとなった。

 なるほど、それもあり得たか…

 

4 幕内争い

 18枚目消滅が降下に影響

 幕尻18枚目の王鵬が7勝8敗で、下に3枚の14枚目で5勝10敗の一山本、もし共に十両に転落すれば、王鵬が上に来るのが自然だろう。降下なしで幕尻に据え置かれるケースもあるはずだ。

 ところが、来場所は役力士が増えて幕尻が西17枚目になる。今場所東18枚目の王鵬が残留すると、負け越して番付が上がる事になる。それはあり得ないので、陥落者の中では最も上の番付になるはずだが、誰よりも陥落順位は高いという珍現象が起きる。番付制度の奇怪なところだ。

 それで降下順位4、5人目となる一山本は下3枚で5勝10敗。下2枚で6勝9敗の剣翔。いずれも絶対ではないが、落ちる星。一方で、5人目の昇進候補である東5枚目東龍の9勝は、通常上がる星ではないが、空きがあれば上がれる成績。かなり微妙な比較になるが、王鵬を含めた降下候補が僅差のため、できるだけ固めたい。東龍の昇進としてスッキリしたい。(でもスッキリでない方が予想としては当たりやすかったりもする

最後の1枠は一山本。やっぱりスッキリさせようとして外したパターンで、やはり東龍は無理に上がる星でなかった。

 同じような理由で、ちょうど空白地帯の10枚目にハメ込んだ琴勝峰は14枚目と、大外ししてしまった。十両の大勝ちはそんなに上がらないのが常なのに、昇降幅のバランスが良くなるように、都合よく空いたところに入れようとしてしまった。だいたいそういう予想をすると外れる。

 しかし、その歪みで、5勝の妙義龍が1枚、4勝の力士数名が3.4枚しか落ちないなど、おかしなことになっているが、それは時の運だからいいらしい。

 

<その他>

・東小結5勝が西筆頭6勝より上 

・十両初日コロナ関係で不戦敗となって1敗14休の水戸龍は、やはり感染関係で全休の力士と同じく番付据え置き。これは全休と同視できるという判断かもしれないが、もし場所中に休場せざるを得なくなったら、どういう扱いになるのか。扁桃炎で3日休んだ豊昇龍は通常通り休みは負け扱いになっていたが、陽性・濃厚接触による休場なら?


令和4年1月場所予想番付

 

照富士

横綱

 

貴景勝

大関

正代

御嶽海

関脇

隆の勝

大栄翔

小結

明生

若隆景

宇良

遠藤

霧馬山

玉鷲

逸ノ城

北勝富

隠岐海

千翔馬

阿炎

豊昇龍

阿武咲

英乃海

高安

千代国

宝富士

翔猿

志摩海

天空海

10

佐田海

一山本

11

若元春

照強

12

石浦

妙義龍

13

千代丸

千大龍

14

豊山

剣翔

15

琴ノ若

碧山

16

栃ノ心

琴恵光

17

王鵬

武将山

18

 

 

<トピック>

白鵬引退分の空き枠埋まって18枚目が復活

 

<ポイント> 

1  三役昇進

関脇7勝VS筆頭8勝

 非常に決めづらい。陥落確実は負け越した両小結。昇進候補は、東西前頭筆頭が8勝だが、2枚目隆の勝が11番勝って再関脇濃厚。

 筆頭2人をすんなり小結に上げたいところだが、関脇明生が1点の負け越しで小結に残るはず。関脇の7勝で平幕落ちは平成4年11月の安芸ノ島を最後に出ていない。

 筆頭8勝の力士のために三役枠を広げることは考えにくく、気の毒ながら西筆頭の若隆景は東筆頭に回るだけか。

 

⇨やはり関脇から降下の明生が残った。それも東に。東西筆頭で同成績の大栄翔と若隆景の差が最小限になるという点ではこの方が良いかもしれない。東筆頭の8勝より西関脇7勝の方が強いということで、もはや小結の地位は関脇7勝が最優先、平幕降下はあり得ないものということも明確にされた感がある。

 

 

2  幕内昇進/残留

「徳俵」東18枚目を得るのは

 白鵬の引退届受理が番付編成会議後になった影響で、九州場所は定数より1減だった。そのため役力士の数が同じなら、来場所は東18枚目が幕内最下位となる。

  

 上がる星の十両力士は3人。対して、空くのは4〜5。前述の復枠1、朝乃山の全休もあり、好機だったが、十両上位の多くが苦戦した。西3で8勝の武将山、東7で11勝と覚醒した王鵬が新入幕と予想したが、幕尻で7番の魁聖が先場所の続いて持ち前の残留力を発揮する可能性もある。

 王鵬が上がれなければ、貴闘力に嫌味を言われることだろう。

 

⇨幕尻は、下から王鵬、魁聖。3枚目8勝の武将山は新入幕ならず。幕尻負け越しながら、魁聖の残留力の高さが発揮された。幕尻は7勝ならかなり粘れる傾向とはわかってはいたが、ついつい新年は景気良く新入幕をと考えてしまった。

 

3 前頭二桁で12勝

12勝阿炎はどこまで戻すか?

 前頭二桁で12勝した力士の相場を調べてみる。11枚目では、この7月に琴ノ若が8枚。平成30年の千代の国は9枚。10枚目では、筆頭か2枚目が多い。この辺は平幕上位が詰まるとそれ以上は行けないが、24年には臥牙丸が10枚アップで小結に昇進したケースもある。

 幕尻近くからだと、令和元年の照強は16枚目から7枚、16年の白鵬が8枚と控えめで中位止まり。14枚目からだと、直近3例が5枚目。

 これが昭和から平成前半頃までは、10枚以上の上昇がザラ。栃乃花11枚、貴花田12枚、久島海12枚と、上位対戦の有無に関わらずボーナス昇格が行われている。

 今回の阿炎は、7枚目8勝の千代翔馬の次として、西5枚目、10枚アップと予想。活躍の度合いは星の差以上ながら、3枚上で11勝の北勝富士は抜かさないと考える。

⇨阿炎は予想より1枚下の西6枚目。2枚目5勝の阿武咲と、5枚目7勝の豊昇龍が間に挟まった。平幕上位の負け越し力士は、あまり大きくは落とされない傾向が見える。西3で2勝13敗の妙義龍も、東10に留まった。最近3枚目で全休して十両転落例が続いたが、少しでも勝っておけば大違い。